2001年10月10日
豊田市立中・小学校長様
サッカー場問題を忘れない!とよた市民の会
代 表  岡田耕一

10.24豊田スタジアム記念事業について校長先生の自主的英断を求めます

前略

 日頃は、次の世代を担うこどもたちの教育のためにご尽力され、ご苦労様です。
 さて、私たちは、豊田スタジアムの建設に異議申立ての運動をしました「巨大サッカー場問題を考える会」を前身とする市民運動団体ですが、見出しの事業につき、どうしても疑問を禁じ得ませんので、以下のとおり申し入れをする次第です。
 この事業につきましては、現場の教員を中心に「10.24豊田スタジアム記念事業を考える会」が結成され、豊田市教育委員会との間で話し合いが持たれていると聞き及んでいますが、教育現場からこうした声が起こってくるのは当然なことであり、歓迎すべきことだと考えます。
 しかし、私たちが最も疑問に感じるには、校長先生方の姿勢や考え方についてであります。
 市教委から各学校に対して、この事業の詳細が示されたのは8月中旬であったと聞いておりますが、まず、校長会において、事業の意義やこどもたちの安全性について、大いなる議論が交わされるべきではなかったかと思うのです。
 戦後の学校教育の歴史を振り返ると、文部省の一貫した政策は、校長の権限強化でした。その意図は、教組対策の意味ももちろんありましたが、他方では、個性あるこどもを育てるためには、個性ある学校にしたいという狙いがあったと思います。つまり、教育委員会による画一的な指導を排して、学校経営は校長に任せるという発想があったと思います。
 とすれば、市教委からどんな方針が出されようとも、それが自校のこどもたちのためになるかどうかの観点で、校長先生がその採用の是非を判断すべきではないでしょうか。校長先生にはそれだけの権限が与えられていると信じます。校長先生が自ら責任を取ることなく、市教委にしたがっていれば責任は市教委が取るだろうという気持ちで学校経営がされるとすれば、極めて残念なことです。学校教育においては、担任教師は教室において一国一城の主であると言われますが、それ以上に、校長先生は学校における一国一城の主であるはずです。
 今回の記念行事は、市民常識からしても、教育的意義と安全性において疑問を禁じ得ません。
 貴殿におかれましても、どうか、自校のこどもたちのためという観点から再考されて、例えば、参加をこどたちの希望に任せるとか、低学年の参加を見合わせるとかの、貴殿の英断を示していただきたいのです。
 以上失礼な文言があったかも知れませんが、私たちは、そもそも莫大な公金を使って造られた豊田スタジアムが、このようなただ人集めのためだけの行事に使用されることに憤りを感じており、いたたまれない気持ちでお便りする次第です。なにとぞ、ご理解とご高配をお願いいたします。
草々

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