会報第6号 14年4月17日 発行
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こんな思いを込めて「老親」を上映会を開催します。
あなたも、ぜひお越し下さい。

 「女は結婚すると、ふつう4人の親の介護に迫られる。おまけに亭主がついてくる」とは、原作者門野晴子さん(「老親を棄てられますか」主婦の友社・講談社、「寝たきり婆あ猛語録」講談社の著者)の言葉です。
 この映画は、門野さんの老人介護の体験記であるとともに、慢性関節リウマチで車椅子生活をしている監督の槙坪多鶴子さんが、痴呆性の母親を介護しながら、撮影された作品です。
 私たちは、サッカー場建設反対運動をする中で、多くの市民のみなさんから、「老人福祉の政策を優先すべきだ。税金の使い方の順序が間違っている」との声を耳にし、そうした声が活動の励みでもありました。
 「介護の社会化」をめざして、介護保険制度が出発しましたが、まだまだ多くの矛盾を抱え、制度としても試行錯誤の段階にあります。
 しかも、介護の問題は、社会的な制度や施設が整備されれば、すべてが解決するという問題でもありません。男女の関係や親子の関係を含む家族のあり方、そして、その家族と社会の関係のあり方などによって、介護の具体的なケースは千差万別の問題をはらんでいます。したがって、教育問題がそうであるように、介護の問題も、ある意味では、誰もが当事者であり「専門家」なのです。
 この問題を暗いイメージで沈んで考えるのではなく、明るく、百家争鳴の議論がし合える一つの材料を提供しようと、この映画の上映を思い立ちました。
 当日は、槙坪監督も来豊され、この映画への思いを語って下さいます。
 多くの市民のみなさんのご来場をお待ちしています。そして、この町の福祉のあり方についての議論の輪を大きくしていきましょう。

老親制作:企画制作パオ
とき 7月13日(土) 午前9時30分 開場
  第1回 午前10時より
  第2回 午後1時30分より
   (いずれも槙坪夛鶴子監督の公演あり)
ところ 豊田市民文化会館小ホール
参加費 大人1000円  高校生以下500円
連絡先 映画「老親」を観る会
 岡田耕一  0565-88-9194
 小林おさむ 0565-80-5323

映画「老親」あなたならどう観ますか?

▼3月上旬、私は名古屋の市民グループが主催する映画「老親」の自主上映会に行ってきました。何を隠そう、私は主役の萬田久子が好きで好きで、何というか、さばさばして、お茶目で、すごく格好いい所か彼女の魅力だと思っている。だから、この映画のような実父母・義父母4人の老親の面倒をみて書た嫁の役は、チトこの人のカラーにあわないんでないか?と観る前は思ったものです。「介護」と聞くと、どうしても暗いイメージか浮かんでしまう。介護にまつわる話はとても重要だと判ってはいてもあまり見聞きしたくない、というのかホンネなのかもしれない。で、萬田久子か出るというから一体どんなものになるだろうと思っていたら、予想を裏切って(?)彼女はしっかりいい味を出していた!何しろ周りに出てくる連中がロの悪いやつぱっかりで、思わず「負けるなよ!萬田久子!!」と大声で叫びたくなるか、そこはさすが彼女、黙って耐え忍ぷわけかない。溜まりにたまった怒りを爆発させてタンカをきるその格好よさ、勢いに圧倒されてポウゼンとする拍手の間抜けな顔ったら!そして、幾多の困難にぶつかり何度も悩みながらも、あっけらかんと生きていく主人公と演ずる萬田久子がぴったり重なってくるのである。

▼おお!映画を観終わってみれば、どの出演者たちにも共感と言うか、ほのぼのとした親近感かわいてくるのかわかる。小林桂樹扮するウガママな義父か拗ねてこぼす「ぽ、ぽくみたいな厄介者は、はよ死んでしまえばええんや!」は、可笑しいようで、ぐっと胸にこたえる。このおじいちゃんが次第に自分の居場所を見つけ、(元)嫁とも心を通わせていく過程が丁寧に描かれ、そこがこの作品の見どころのひとつになっています。この他、介護にあたる主人公らにイヤミぱかり浴びせるキツイ実母の役を草笛光子、いつも仕事に逃げてばかりの夫・榎木孝明、母らを支えなから生き方を模索する主人公の娘を岡本綾、などなど豪華な顔ぶれで絶対見ごたえあり。

▼この映画は豊田市でも昨年市民グループが自主上映会を行なったと聞いているが、その時観た人も見逃した人も、今回の上映会でぜひ!観てほしいなー。作品を監督した槙坪さんの公演も聞けますよ。
(やど)

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