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おさむ会ニュース 第5号 2001.4.13発行

前ページより続く
も147億円、前年度比63%(90億円)増とな
っています(表1)。話題となった、幡豆町で
の土砂採取事業を中止したにも拘らずにです。
この2事業は、少なくとも2005年までは、毎
年今年度以上の予算付けが必要になるのです
から、いかに県財政を苦しくしているかが分
かります。
 公債費というのは、県債(これまでの借金)
の返済金ですが、2609億円で全体の11.3%を
「占めるに至りました。歳入で相変わらず多額
の県債が見込まれていますから、この公債費
支出も今後増加すると予想されます。
 やはり愛知県財政は、万博と空港にかかわ
る限り、誰が知事になっても苦境から脱しよ
うがない状態にあろと言わざるを得ません。
こうした閉塞感が県政全体を覆っているのが、
最大の問題だと思います。
中部国際空港関連予算 (単位:百万円、%)
一般会計
  事業名 予算 前年比
企 画
振興部
空港建設促進費
関連調査費
空港会社出資金など
関連鉄道会社出資金など
21
5
2339
4085
43
89
63
192
  小計 6450 110
建設部 知多横断道路など建設費
県道路公社出資金
7240
1055
230
新規
  小計 8295 263
  合計 14745 163
企業会計
企業庁 前島など埋め立て事業 50540 106

愛知万博関連予算(すべて一般予算)
(単位:百万円、%)
  事業名 予算 前年比
国際博
推進部
万博推進事業費
広域プラザ設置費
県出展参加費
オオタカ調査費
海上地区基盤整備
工事周辺対策費
博覧会協会補助金
56
9
61
20
289
3
840
77
新規
335
100
552
新規
131
  小計 1278 143
建設部 関連道路事業
青少年公園整備
11799
726
126
新規
  小計 12525 133
  合計 13803 134

万博問題−「堺屋発言」の意味するもの
 博覧会協会の最高顧問に就任した堺屋太一氏が、
「現状の計画ではダメだ」と発言したことによって、
またまた万博の行方が混乱しそうです。
「一体何をやっているんだ」と思われる読者の方も
あると思いますので、私なりの簡単なコメントをし
ておきます。
 味も素っ気もなく言えば、堺屋発言は、万博推進
側の本音に過ぎません。
 これまで、万博計画はBIE(博覧会国際事務局)
の外圧で、環境団体からだされた指摘が無視できな
くなり、曲がりなりにも検討会議で市民の意見を聞
くという過程を経ながら、環境問題との折り合いを
つける形で、主会場の変更や規模の大幅縮小をして
きました。そのうえで、「環境万博」と銘打ってBI
Eに登録されたのです。
 しかし、「環境万博」という概念自体が、これま
でのお祭り騒ぎを目的とする万博とは、相容れない
ものでした。したがって、「大阪万博の成功者」と
して最高顧問への就任を懇請された堺屋氏としては、
「窮屈な条件を付けられたのでは、お祭り騒ぎにな
らない」と開き直ったのでしょう。これが推進側の
本音です。同時に堺屋氏は、「目的を実現できる会
場が確保できなければ、万博中止もあり得る」旨を
語ったとも報道されています。
 常識的に考えれば、無理に無理を重ねて中途半端
なイベントをやるよりも、あっさりと万博を返上し
た方が、県政にとってプラスになると思われてなり
ません。

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