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おさむ会ニュース 第8号 2002.1.10発行

水源連の全国集会に行って来ました
川はダムと共存できるか
前愛知県会議員 小林 おさむ
 昨夏から「矢作新報」紙に6回にわたって
掲載された、梅村ロニさんの「矢作川のダム
と環境破壊」と題する論文を読んで、矢作川
の危機的状況を改めて理解しました。特に、
矢作ダムに排砂機能がないため、建設後30
年経った今日、下流の川底が一面にコンクリ
ートを張ったような固い構造になり、生態系
も単純化してしまったという指摘は、説得力
があるものでした。
 ちょうどその矢先、会費だけを納めている
水源開発問題全国連絡会から、第8回総会
の案内があり、テーマが黒部川のダム排砂
問題だというので、11月24、25日と出かけま
した。
 黒部川で起きている問題は、次のとおり
です。
 ダムを造り管理する側からの最大の問題
は、堆砂によるダムの短命化です。その問
題の解決の切り札として、湖底近くに排砂
ゲートを備えたダムが考案され、黒部川で
は、1985年に出し平ダム(関西電力)、そ
の少し下流に2000年に宇奈月ダム(国土
交通省)が完成しました。そして、出し平
川と海の漁民から訴えが続いた
(11月24日宇奈月温泉にて)
ダムでは91年から、昨年は宇奈月ダムと
連携して、排砂ゲートが開けられました。
 ところが、ダムから放出されたのは、土
砂ではなくヘドロだったのです。素人の私
の目でも、明かに有機質汚泥そのものでし
た。その結果、ダム下流のアユ漁はもちろ
ん、富山湾の一部の漁業も大打撃を受け、
いま公害調停が提起されています。
 その原因は、「水の流れを堰き止める」
というダムの本質的な役割にあります。こ
の役割がある限り、果たしてダムは川と共
存できるのだろうかと、疑問を大きくした
のでした。

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