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おさむ会ニュース 第11号 2002.10.15発行



前愛知県会議員 小林 おさむ
 私は浪人中に、新しい世紀を迎えました。
このことは、単なる時間の流れということ以
上の意味をもっていると思います。政治家と
して再起を期すにあたって、21世紀がどん
な時代であると認識し、それをどんな時代に
すべきかを構想しなければならないことを物
語っています。
 世紀の節目に立ち会えたことは、ある感動
を覚える事実ではありますが、残念ながら、
本音で、21世紀にバラ色の明るいイメージ
を描ける人は、決して多くないと思います。
ありません。愛知県においても事情はまった
く同じです。
 これまでの県行政は、道路、橋、港湾、ダ
ムをはじめ、各種の公共施設を建設すること
を公共事業と称して、それらを借金でやるこ
とは当然と考えてきました。その理由は、公
共事業は景気浮揚や雇用の確保に役立ち、借
金は税の増収で返済できるというものであり、
さらにその大前提になっていたのは、公共事
業で造られる土木施設や建物は、孫やひ孫の
世代にとっても有用なものであるに違いない

 まず、環境と資源の問題があります。地球
温暖化に関する京都議定書をめぐる各国のい
がみあしも知るにつけ、こんなことで人類が
存続できるだろうかという思いに駆られます。
 私たちの孫やひ孫の将来の負担や生存の
危機を考えさせられるのは、環境問題だけで
はありません。国と自治体に公団・公社等を
加えた、いわゆる公的債務が約1干兆円とも
言われる借金財政の問題があります。国民総
生産の2倍に及ぶ借金を返済できる見通しは、
ほとんど絶望的です。
 つまり、私たちの世代は、本来は孫やひ孫
が使うはずの自然や資金を先食いして、現在
の生活水準を築いてきたと言っても過言では
という考えでした。
 ところが、21世紀の今日、田中康夫長野
県知事の「脱ダム宣言」に象徴されるように、
孫やひ孫にとって役立つと思って造った施設
が、むしろ迷惑施設になり、償金だけを残す
結果になるのではないか、と思われるように
なってきたのです。
 いま私たちの世代に求められるのは、21
世紀を背負うこれからの世代に対して、謙虚
になることです。孫やひ孫の世代の人たちが、
時代を背負ったときに本当に必要なことがで
きるように、土地や自然を残し、いまの借金
をできるだけ減らして、これらの世代に引き
継ぐことだと思います。
 そう考えると、当然のことながら、税金の
使い方を根本的に変えなければなりません。

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