愛知県はすでに財政再建団体である | |
愛知県は12月1日、例年どおり平成13年 度決算を中心とする財政状況を公表しました。 それによると、13年度普通会計の決算結 果は、20億円弱の黒字になったとされてい ますが、実は歳入で250億円の臨時財政対策 債を借りているのですから、実質的には230 億円の赤字だったと言えます。 臨時財政対策債というのは、国の地方財政 対策により平成13年度から新たに設けられ た特例地方債で、15年度まで3カ年発行で きます。この借金は、地方交付税の振替措置 で、返済金は国が後に交付税としてくれるの で、県の借金とは言えないというのが、県当 局の見解です。 この臨時財政対策債は、14年度では520億 円の発行が予定されています。 法律では、地方自治体が単年度で一定金額 以上の赤字を出すと、財政再建団体になり国 の監督を受けるとされており、その金額は、 本県のばあい14年度で約550億円です。 14年度の決算結果がどうなるかは分かり ませんが、たとえ少しばかりの黒字になった として、500億円を超える特例債を発行しな ければ予算編成ができないこと自体が、愛知 県がすでに財政再建団体水準の財政に陥って |
いることを意味しています。 また、この借金の返済を国が交付税で最後 まで面倒をみてくれる保証も実はないのです。 なぜならば、国が自治体に支出する地方交付 税は、地方財政計画の中で決まるのですが、 この地方財政計画自体が膨大な借金(国債の 発行)で遣り繰りされているのですから。 いま国は、強引に自治体の合併を求めてい ますが、その理由は、地方分権の推進という のは名目だけで、この地方交付税を何とかし て減らしたいからです。県債の返済期間は 10〜30年間ですから、このような状態では いつまで国が保証してくれるのか全く不明で す。 このままでは、ますます借金を大きくして そのツケを後代の県民に回すことになります。 肝心なことは、金が足りなければ借金をして その場をしのぐという、鈴木県政時代からの 財政運営の体質を根本的にあらためることで す。そして、無駄遣いを省くことは当然とし て、土建中心の公共投資を、県民生活を直接 支える部門(例えば、雇用対策や県土保全事 業そして福祉・医療など)に重点的に転換す るという、歳出面での改革が求められます。 (小林おさむ) |