会報第20号 18年7月12日 発行
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豊田のPCB廃棄物処理現場をこの目で見た!
〜PCB廃棄物処理施設を見学しました、とにかくでかいでかい…〜
 市内細谷町にある豊田PCB廃棄物処理施設で、未処理のPCBガスが外部に漏れ出す事故がおきたのが、昨年11月21日。
それから約半年後の今年5月29日に、とよた市民の会の小林收さんとともに、このPCB廃棄物処理施設の見学をしました。

<事故後の対策はどうなっているか>
 当日は、日本環境安全事業株式会社(JESCO、PCB廃棄物処理を行なう事業体。国が出資している)の豊田事業所の児玉所長、久野総務課長が対応してくれました。
 事故後はこの5月末まで9回の事故対策委員会を開催し、配管の接合揚所に不具合がないか、施設内の気体が施設外に漏れ出すことはないかなどのテストを行なったそうです。そして実際に稼動(試運転)して問題ないか現在確認中とのことでした。
 全国では、北九州事業所が稼動中ですが、豊田事業所の後に開業した東京事業所が、事故発生により今年3月から稼動を中止しています。豊田も東京も開業まもなくで事故が発生しており、地域住民の不安は高まる一方です。JESCOでは、豊田市の安全監視委員会への報告、地元への構報公開も行なっていくとのことでした。事業再開には慎重な姿勢が求められるところです。
<PCB処理の現場へ>
 久野総務課長の案内で早逮施設内を見学しました。3階から順に上の階に進んでいきます(処理作業も2階で廃棄物を受入れ、1階で解体、階を上がって順次処理が進められます)。見学者通路から処理の現揚が見られますが、作業そのものはあ
まり見られないため、傍に設置されているモニターなどでその内容の説明を受けました。ガラス越しに中をうかがうと、厳重に防護した作業服姿の人が見えました。処理作業はほとんど機械が行いますが、作業員の手でコンデンサを細かく解体する(見た目危険そうな?!)処理過程もあります(案際には見られませんが案内ビデオでその様子がわかります)。
 PCB廃棄物を溶剤で洗浄する設備、真空で過熱してPCBを取り出す設備、そして集めたPCBを脱塩素化剤で反応させ分解、無害化する設備などを順に見学しました。今回事故の発生した真空加熱分離設備の蒸留塔の部分は、壁の向こう側で見ることかできませんでしたので、口頭で説明を受けました。中央制御室では、現在試運転中のため、通常よりも多くの技術担当者がつめていました。
 見学を終えて感想をひとこと。「金のかかったすごい施設!」です。昔、PCBは便利な化学製品として広く使われていましたが、その有害性を取り除くには、こんなにお金がかかるんだ、ということを実感しました。「後世へのツケ」という感じです。この前オープンしたエイデンヘの迂回路途中に処理施設があります。見学しましょう!
(小笠原輝美)

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