会報第21号 18年10月18日 発行
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震災って、ほんとのところどんなもんなの?!
市民の会「防災問題を考える」シンポジウム報告
   「阪神淡路大震災から学ぶ・・・市民ができる防災対策」・・・8月5日(土)にとよた市民活動センターにて、とよた市民の会・第2回市民講座「防災を考える」シンポジウムが開催されました。震災についてお話をうかがうにふさわしい3名の方々をパネラーとしてお迎えし、体験談・震災から得た教訓・市の防災計画等の貴重なお話をしていただきました。

「被災地で仮設トイレと格闘!!」
          (元神戸市職員 北尾進さん)
 阪神淡路大震災発生当時、神戸にいた北尾さんは、その時「何が起こったのかわからない」という状況でした。外に出るのも大渋滞、公共交通機関も全く動かず、自転車で2時間かけて市役所へ向かったそうです。
 市から災害対策本部へ行くよう命ぜられ、全国から提供を受けた仮設トイレを各避難所へ配置する仕事をすることになりました。神戸市では汲み取りはあまりなされておらずバキューム車もほとんどないため、トイレの設置・汲み取りについても全国から応援に来てもらったそうです。仮設トイレの使用状況を映した写真での説明がありましたが、汚物ですぐいっぱいになったり、夜間に電灯がないなど使用・管理についても様々な苦労があったと語りました。また、水道が復旧すると仮設トイレが不要になるため、「臭いから撤去せよ」との苦情が市に殺到するようになったそうです。
 北尾さんは、被災地にいるとかえって被災状況がつかみにくく、他市からの情報のほうがはっきりしていると指摘しました。また、トイレの例からもわかるように、日頃からの他市との連携、また他市からどういう支援が受けられるかの情報が大事だと語りました。
 地域においては、それぞれの世帯の家族構成を近隣住民が知っていたことで、救出活動が成功した例もあり、地域・市民の力が大切であると訴えました。

「救援物資は、被災地を襲う第2の災害なんです・・・」
          (市民ボランティア団体代表 瀧川裕康さん)
 阪神淡路大震災の際、瀧川さんは町内会で支援物資を集め宝塚市へ送ったそうです。支援物資といっても食料品はNG、着る物も新品でないとだめですが、消耗品は喜ばれるそうです。この支援物資というのは意外にも被災地にとって悩みの種で、中古品は使いようがないため、せっかく送られても焼却処分されてしまいます。その運搬・処理費用が被災地にとってかなりの負担となっています(数億円になるところも)。むやみやたらに支援物資を送ってはいけない、と瀧川さんは強調しました。

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