会報第14号 16年10月13日 発行
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映画『華氏9/11』を観て
 先日、マイケル・ムーア監督作の華氏9/11を観る機会がありました。大統頼ブッシュを痛勲に批判したこの映画は、大統領選挙直前のアメリカで大反讐を呼び、日本でもマスコミ等で大きく報道されました。すでに観られた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 映画は4年前の大統頼選挙の回想シーンから始まります。ブッシュの「疑惑」の勝利から9・11同時多発テロ、アフガニスタン・イラク戦争へとドラマはすすんでいきます。ムーアはこの中で、これまでに明らかになった数多くの事実−9・11テロの首謀者とされるビンラディンとブッシュ一族との深い関係、アフガニスタン・イラク戦争で暗躍する軍需、石油産業とその利権に群がるブッシュ政権の閣僚たち等々−を提示し、アメリカの主張する「正義」の戦争の矛盾と嘘を徹底的に暴きだしていきます。
 今でも世界中の多くの人々が、イラク戦争の真の目的は「石油利権の獲得」にあったと考えています。イギリス首相ブレアも認めたように、イラクに「大量破壌兵器」なるものは存在しませんでした。他国に脅威を与える大量破壌兵器の存在こそイラク戦争開始の大義名分だったはずですが、アメリカやイギリスばこの事実を無視しようとしています。
 アフガニスタン、イラク戦争では多数の市民がアメリカ軍の攻撃で死傷しました。映画でも米軍の爆撃による犠牲者たちの生々しい様子が映し出されていました。今なおイラクではアメリカ軍に対するテロ、民間人を狙った誘拐が連日のように続いています。終わることのない戦争とテロによる報復。暴力の連鎖による悪循環を私たちは断つことができないのでしょうか?
 世界各地でイラク戦争反対の世論が高まるなか、小泉首相はブッシュの戦争を全面的に支持し、「人道支援」を名目にイラクヘの自衛隊派遣を実施しました。小泉首相は「華氏9/11」を建設的な議論がない映画と批判していましたが、アメリカの同盟国として間接的にせよイラク戦争に同調している私たち日本人は、自らの責任を自覚するためにもこの映画を観るべきではないでしょうか。
 アメリカでは選挙用のプロパガンダ映画として非難する人もいるようですが、「平和」や「民主主義」のありかたを考えさせるすばらしい「啓蒙」作品であると私は感じました。
(文責・とよた市民の会 下島陽一)

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