会報第18号 18年1月11日 発行
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第3回 市民講座 報告
「小児医療の問題点とあるべき姿」
講師:岩瀬勝彦先生(岩瀬小児科院長)
 2005年10月2日(日)、「医療のあり方を考える」市民講座の第三弾として岩瀬小児科院長の岩瀬勝彦先生に小児医療についてご講演いただきました。
 以下は、主催者の責任においてまとめた当日の講演要旨です。(文責:岡田耕一)

病院と開業医の関係(病診連携)
 従来は、病院と開業医は並列関係だった。その結果、患者さんはどこにいくか自由に決められたので同じようなレベルで競争していた。そうすると開業医はできるだけ患者さんを確保したいと思い、ぎりぎりまで自分で対処し、大変な状態で病院に送ることもあった。開業医からは、病院にお願いしたらあとは知らん顔のこともしばしば。
 500〜600床ある病院だと99%の稼働率がないと病院経営できない。寝たきりの老人を入れることによって経営を安定をさせる。経営が厳しいとなると月末に検査をし、診療収入を上げることも。薬は35%以上の差益があり、以前は薬からの利益が病院経営を支えていた。現在、全国的には平均57%が医薬分業されている。欧州は昔から医薬分業だった。病院経営は従来に比べたらずいぶん大変。濡れ手で粟の薬からの利益があったが、医薬分業により、また、介護保険の導入により、利益が出なくなった。
 また、病診連携により、患者は直接病院に行けなくなった。軽い風邪でいきなり大病院には行けないように、2,000円余分に取る。5,000円でも1万円でもいい。余分に取ることによって軽い患者さんは大病院に行かずに開業医に行くようになった。開業医は自分の手におえない患者は速やかに病院に紹介できる。以前は開業医でも高額機器を購入し、必死に診療していた。病診連携がうまくいけば、こうしたムダもしなくて済む。
 病診連携は、開業医に実力があれば、病院の医師に対して指導や指示ができ、多額な医療器の購入資金も必要がなく、開業医にとっては非常にいいシステム。これにより病院に対してモノが言えるようになった。言わなくではダメになった。言える実力が必要。

医者の良し悪し
 産婦人科医である妻の右手が麻痺した。脳血管障害と思い、県内のある市民病院で診察を受けると脳梗塞と診断される。すると、循環器専門の内科医が血圧を下げる薬を投与された。しかし、納得できず、加茂病院の脳外科で診察を受け、血圧を上げる薬を投与してもらい、事なきを得た。現在、その市民病院の内科医を訴えている。このように、診察される医者の良し悪しによって生死を左右することもある。

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