会報第18号 18年1月11日 発行
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豊田PCB廃棄物処理事業
PCBガス放出事故発生…
 私は、この一報を聞いた時、信じられない思いでした。市内細谷町にある豊田PCB廃棄物処理施設において、未処理のPCBガスが外部に漏れ出すという事故が、昨年11月21日に発生しました。昨年8月29日に開業してから、3ヶ月も経たない中での事故でした。
 この事故は処理施設内の第1蒸留塔の底部ポンプに取リ付けた圧カ計が脱落し、PCBが含まれた約200リットルの洗浄油が漏れ出し、そこから揮発したPCBガスが、隣接するトランス解体フードの天井裏に漏れ、未処理のまま4時間以上外部に放出されたというものです。
ここで私が思ったのは、大きく3つの問題点がある、ということでした。
@圧カ計が落ちるということは、事故としてよくあるものとも思えない。処理施設全体の構造が、脆弱なのではないか?
APCBが漏れ出しても処理過程を経ないケースがあるということ
B施設外に気化したPCBが放出されたこと
 ここで、PCB処理の流れを簡単に説明します。
 PCBが含まれているトランスやコンデンサーなどを解体し、付着しているPCBを洗浄して洗い流します。この工程で洗浄油にPCBが含まれますので、蒸留してPCBを取り出します。集められたPCBは、ナトりウムに反応させるなど化学的処理によって無害化されます。
 以前私は、「豊田PCB廃棄物処理事業は、PCB廃棄物を安全に搬入し、処理施設内で適切に処理する。万が一処理過程で事故があっても、外部にPCBが放出されることは決してない」と、処理事業説明会で事業主体の環境事業団(現日本環境安全事業株式会社)から説明を受けました、処理施設内ではPCBはすぺて化学的処理かなされ(気化したPCBも吸着処理装置を経る)、無害化されたことを確認した上で施設外へ搬出する、また、施設内は負圧のため、気化したPCBでも施設外に漏れることはない、従って処理事業は安全である、と事業者は強調していました。
 なのに、なぜこのような事故がおきたのでしょう?
 おかだ耕一市議は、昨年12月の定例議会で、この事故を取り上げ、豊田市の事故に対する間題意識をただしました。担当部署である環境部の答弁は、「PCBの外部への漏洩は起こりえないという安全神話が崩れた。安全性が確認されるまで、運転再開は認めない方針である」というものでした。現在、事故原因を調査中であるとのことですが、私は、処理事業の安全性そのものか覆ってしまった重大事故と考えています。時間がかかっても事故原因の究明と対策を検討し、再度、周辺住民への説明会を実施すぺきだというのが私の意見です。(小笠原輝美)

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