会報第24号 20年7月2日 発行
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 1羽のサシバが1日1匹のヘビを食べるとすれば、1年で365匹のヘビが必要となります。1匹のヘビが1日1匹のカエルを食べるとすれば、1年で365匹×365匹のカエルがいなくてはいけません。サシバが今まで生息していた森を追われて、よその森に行ったとしたら、すでにいるサシバとエサの取り合いになり、生態系は大きく崩れてしまうでしょう。「ひとつの森をつぶしても、よその森があるのだから生物はそこへ移ればよい」なんていうのは暴論なのです。


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 さて、5月30日に生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)の開催地を愛知・名古屋とする決定がなされました。誘致委員会のホームページによれば、愛知・名古屋は「自然と共生する日本の姿を世界にアピールできる地域」ということで、愛知万博会場の面積減少も成果として掲げられていました。これは一体誰の成果として言っているのかも疑問ですが、この時期にトヨタが広大なテストコース(660ヘクタール)を建設しようとすることはどうなの?と問いたくなります。
 6月2日に、神田真秋知事は、テストコース計画に関し「従来型で、土地を大きく改変して造るのは許されない。COP10開催にかかわらず、時代背景からも容認されない」とし、「できるだけ土地の改変部分を少なくし、改変する場合も環境へのダメージを小さくする配慮が必要」と発言しました。この方針が実行されるのであれば、喜ばしいことですが、企業活動が関わってくるだけに今後の進展が非常に気になるところです。
 そして、もうひとつ。織田さんは、里山の役割は重要であり、里山保全を特に訴えたいとお話していましたが、「人の手を入れていかなければ山は荒れてしまう。しかし、水田でも維持していく上で必ず人手がいる。誰が維持していくのか、難しい問題だ。単に里山を守れと言うだけでは解決できない」と指摘していました。適度に人の手が入っていく必要があるのは、山の間伐だけでないのですね。水田の役割は徐々に認識されつつありますが、どうしたら水田を守れるのカナーと考えて、やっぱりお米をたくさん食べて米の単価をあげることだろうか、という結論に私の中では至りました。それが一番自然に適っているように思えました。あの里山の中で、おにぎりを食べるととてもおいしく感じるだろうな・・・
(とよた市民の会 小笠原 輝美)

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